その小さな蜘蛛は 去年の夏頃から 我が家に住みついた 足先まで入れても 1.5センチ 体を覆うように糸で作られた巢 霞の向こうで 足を放射線状に広げて 全く動かない この蜘蛛の名は「チリグモ」 微少な昆虫やダニを食べて 生きている 糸に触れた者を 捕捉するようなのだが そういう姿を 見たことがなかった リビングのカウンター置いてある スマホ等の充電コードを使う度 横を向くと そこに居る チリグモの巢は 丁度目線の高さに有った 冬になっても春が来ても そのまんま 「生きているのかしら?」 指でそっと触ると モゾモゾと動いた 「名前の通り チリでも食べてるのか?」 『いつまで居るのか 見届けよう』 そう思っていたのだが 5月20日の朝 何気に巢を見ると 蜘蛛の形がおかしい 近付いて見ると 巢の中に [チャバネアオカメムシ]が居た 「おーっ 凄い大物を捕まえとるー!」 思わず 歓喜の声をあげる