溶けていく左足を回収しながらほうほうのていで巣に帰り、ぐうたらと引きこもって蜜酒を飲んでいたら、今年はまだ夏休みの自由研究をしていないと気がついた。そういうわけで、以前に書いた「ガイブン初心者にオススメする海外文学・文庫編」のハードカバー編である。 なぜわたしは海外文学のハードカバーを読むか ばかなの? というぐらい当たり前のことを書くが、ハードカバーは文庫に比べて高い。特に翻訳小説は、小数部数、初版どまりですぐ絶版、翻訳権と翻訳料の支払いエトセトラという五十重苦を背負っているため、最低でも2000円、平均で3000円ほどする。 ※五十重苦 よく訓練されたガイブン勢は、名菓ヒュアキントスまんじゅうのために5000円、古本屋で見つけたら1週間の食費を奉納して確保すべしと言われていたマルセル・シュオッブの復刊全集に1万5000円など、ガイブン租(国書刊行税)・庸(白水税)・調(作品社税)を喜ん