僕が旅行で一番楽しみにしている事、それは予期せぬモノ達との遭遇です。予定調和的では無い出会い程僕の心をときめかせる瞬間はありません。そしてそれを求めるが故に僕は旅を続けているのかもしれない。今回の旅行でもそんな素敵な出会いが僕を待っていてくれました。 カミーユ・クローデルの彫刻です。 出逢いは全くの唐突でした。ロダン美術館を訪れていた時の事、入り口中央、右よりの一室に入った瞬間、僕の目に飛び込んできたのが上の彫刻だったんですね。作品の名前は「分別盛り(第二バージョン)(L`age mur (deuxieme version)」。 真ん中の老人が、背後にいる老婆(悪魔)に囁かれ、若い女性から身を引いていく瞬間が表現されています。主題としては「人生の3段階」などとして、あちこちで繰り返し用いられているテーマなのですが、カミーユ・クローデル作のこの作品は、ちょっと他には無い域にまで達していると思