「靴、どうしたの」と、白い上履きのまま何度も帰宅する中学1年の娘を見て母が尋ねるが、「破れたから捨ててきた」と娘は笑う。 通学用の黒い革靴は盗まれたり、焼却炉で体操服と一緒に燃やされたり。靴の中に画鋲やカッターの刃が入っていることもあった。心の中では「不甲斐ない娘でごめん」と申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、何もなかったように毎日振る舞う。 自分が惨めで情けなくて恥ずかしい。親に心配かけたくない。先生にバレたら報復される。いじめられているなんて、親にも先生にも絶対に言えない――。いじめを受けていた大津市の中学2年生が自殺した事件が連日報じられ、否応なしに自らの中学時代も蘇る。私の経験は大津のケースにとても及ばないが、それでも自殺が頭をよぎった。 自殺した生徒の父親が18日、暴行、窃盗、恐喝など6つの容疑でいじめの加害者とされる同級生3人を大津署に刑事告訴した。自殺の練習、万引きの強要──