「十年を生きた気がする、この一年」 これは3月9日付の河北新報の川柳コーナーで佳作に選ばれた一句であり、作者は仙台市太白区の浜田一生さん。浜田さんが被災されたのかは不明だが、今日でちょうどあの大震災から一周年を迎える。私は被災者ではなかった宮城県民なので、この一年で十年を生きた気までは しなかったが、家族や家屋、財産、職を全て失い、助かったのは命だけという被災者にはさぞ苛酷な一年だったのは想像に難くない。改めて震災の犠牲者の方々には謹んで哀悼の意を表したい。 3.11以前、大地震と言えば宮城県では昭和53(1978)年6月の宮城県沖地震を意味していたが、昨年以降は東日本大震災に変わった。私は双方の大地震を体験しているが、今回のそれに比べれば昭和時代の地震などものの数にも入らないと感じた。おそらく私のこの先の人生も含め最大規模の地震になると思うし、そうであってほしいものだ。今から三十数年後、