産経新聞は、サッカー女子の日本代表MFでINAC神戸(なでしこリーグ)に所属する沢穂希(ほまれ)選手の名字の表記を「澤」に変えました。本人から「澤」の使用について強い要望があったこと、日本サッカー協会やINAC神戸の公式サイトでも「澤」を用いていることなどが理由です。 「沢」と「澤」は新字体と旧字体、常用漢字と表外漢字の関係にあります。「さわ」は、もともとは「澤」が正字でしたが、昭和21年の当用漢字表(常用漢字表の前身)で、簡略化された「沢」になりました。以後、「沢」が正字となっています。 産経新聞などでは読みやすい新聞づくりを基本に、使用する漢字は常用漢字や人名用漢字だけと取り決めています。人名、地名など固有名詞には表外字を用いていますが、旧字体や異字体は原則使いません。いくら固有名詞だからといって無原則な漢字使用を認めていくと、読者の混乱を招くことになるからです。たとえば「辺」の旧字の