組み込みエンジニアにとって、オシロスコープを使いこなすことは「必須のスキル」であると言えます。電子回路の設計者はもちろんのこと、プログラマにとっても、自分が書いたソフトウェアは正しく動作しているのか、そのバグはハードウェアとソフトウェアのどちらに潜んでいるのか…といったことを知るために、オシロスコープは強い味方となります。 そこで本連載では、オシロスコープの基本について、初心者にも分かりやすく解説していきます。今回は、そもそもオシロスコープとはどういったものなのかについて、述べていきます。 「オシロスコープ」とは何か - 見えない電気を可視する 目に見えないものの代表として「電気」があります。18世紀、電気がまだ研究の対象であったころ、研究者にとって電気は目で見ることすらかなわず、「電気の挙動」を観測することは夢のまた夢でした。 20世紀に入って、この究極の夢を実現するものが出てきました。