元朝日新聞編集委員で、見事なアフロヘアと超節電生活がさまざまなメディアで反響を呼んだ稲垣えみ子さん。新刊『魂の退社 会社を辞めるということ。』(東洋経済新報社)では、大企業に勤めて「金満ライフ」に興じていた暮らしを卒業した理由や、冷蔵庫もない超節電生活、「50歳、夫なし、子なし、無職」になってはじめて手にした希望を綴り、その“魂の生き方”が注目されている。 稲垣えみ子さん(以下、稲垣) 会社を辞めたとたん、私という人間は何も変わっていないはずなのに、社会の扱いがまったく違うことに本当にびっくりしちゃって。なんと日本の大人は、「会社員」と「不審者」の2種類に分けられていたんですよ!「あ、私は不審者の群れに転落したんだ」と辞めて初めて知った(笑)。 何の手続きをするにも「お勤め先は?」と聞かれますし、家を借りるとき も保証人が必要だし、会社を辞めるって即ち信用をなくすこと。つまり日本社会とは「