鑑賞中、頭が沸騰した。最初から最後までクライマックスかというようなテンションで111分が嵐のように駆け抜けた。少し肌寒いくらいの空調の効いた試写室で、映画が終わった時には汗ばんでいた。 オリジナルアニメーション映画『プロメア』は、大変な熱量の大衆娯楽映画だ。個性的なキャラクターにビッグスケールのストーリーと、過剰なアクションとコミカルさがハイレベルでせめぎ合っている。制作したTRIGGER、監督の今石洋之、そして脚本の中島かずきの魅力がこれでもかと言わんばかりに詰め込まれている。 本稿では、TRIGGER及び、監督と脚本の2人の魅力と特異性を紐解くことで、本作の魅力に迫ってみたい。 『キルラキル』で瞬く間に認知されたTRIGGER TRIGGERは、GAINAX出身の3人が独立し2011年に設立された新しいアニメーションスタジオだ。だが、すでにアニメファンの間では信頼できるブランドとしての