1月23 飯田泰之『財政・金融政策の転換点』(中公新書) 7点 カテゴリ:政治・経済7点 先進国では1980年代に退治したと思われていたインフレが復活し、景気対策は金融政策中心で財政政策は最低限度で良いとされていたスタンスがゆるぎ財政出動が叫ばれるなど、近年のマクロ経済政策は大きく揺れました。 本書のはしがきに「常識はそれが「常識」になった時点から崩壊が始まる」(ii p)とありますが、まさにここ最近のマクロ経済学ではさまざまな常識が書き換えられてきたのです(例えば、ブランシャール『21世紀の財政政策』における、かなりの規模の財政赤字を問題なしとする立場など)。 本書は、まずは財政政策と金融政策の標準的な理解を押さえながら、財政政策と金融政策の融合、「高圧経済論」といった新しい潮流を探っています。 メディアなどで見かける著者のイメージからすると、中公新書ということもあって「やや硬め」かもし