『君たちはどう生きるか』を観た。 しばらくしたら専門家が本格的なレビューを書くのだと思うが、今の段階では簡単なレビューしか書かれていない。ちらりと見たレビュー記事が「ファンタジーへの回帰」を称賛するというもので、あまりにも素朴すぎると感じたので、僕も感想を書いてみたい。 一度見終わった直後に走り書きしているので、固有名や記憶違いがあるかもしれないが、その熱だけでも留めておきたい。 宮崎駿の自我空襲警報が高らかになり、燃え尽くす街を駆ける少年の映像。冒頭の1分ほどの映像を観たとき、僕はすでに感動した。この1分の間に、宮崎駿がこれまで描かなかった新しい表現があり、そこにこの映画全体のメッセージがあった。 宮崎駿はこれまで、幾度となく疾走する少年を描いてきた。誰もがコナン、ルパン、パズー、アシタカ、の走る姿を思い浮かべることができると思う。しかし、これらほとんどは走る少年の後ろや横からカメラが追