「せめて家族3日分の食料は備蓄しておくといいですね」と話す新生さん。場合によっては救援物資としても役立つ(榊聡美撮影)(写真:産経新聞) 東日本大震災から間もなく1年。各地のスーパーなどでは防災用品や非常食を集めたコーナーを立ち上げ、改めて日頃からの備えを喚起している。震災直後から、被災地はもちろん、広範囲で不便を強いられた「食」。どう乗り切ったかを振り返り、そこから浮かび上がる“食の教訓”を2回にわたって探る。(榊聡美) ◆あるもので工夫 震災後、ライフラインも食料もままならない困難な状況下で、何を作り、食べていたか−。 昨年12月にまとめられた、仙台市民の食の記録集『私はこうして凌(しの)いだ−食の知恵袋−』(仙台ひと・まち交流財団発行)で、その一端を知ることができる。 缶詰を組み合わせて作ったサバのトマト煮、牛乳の代わりに粉ミルクで作ったシチュー…。アイデアに富んだ非常食から