取材ノート’12:出水の越冬ヅル一極集中 環境省、分散化に本腰 /鹿児島 毎日新聞 3月4日(日)14時29分配信 毎年冬、1万羽以上のツルが飛来する出水平野。昨季は、7羽が高病原性鳥インフルエンザに感染し観光などが打撃を受けたが、今季の発生はなく、ツルの北帰行も始まった。しかし、感染症の爆発的拡大が懸念されている一極集中は解消されていない。特にナベヅルは世界の生息数の約9割が出水平野で越冬するとされ、感染症の拡大が種の絶滅につながる恐れもある。1月から環境省が音頭をとり、越冬ヅルの分散化についての検討会が始まったが、課題は山積している。【宝満志郎】 ◇来年度中に方向性 「受け皿の整備が重要」指摘も 環境省などは03年、分散候補地に、山口県周南市▽佐賀県伊万里市▽高知県中村市(現・四万十市)▽長崎県有川町(現・新上五島町)の4カ所を選び、受け入れの目安として4カ所で約500羽を考えた。