昨年まで、青森県にある航空自衛隊三沢基地の空自第3航空団飛行群本部で空士長を務めていた山本和樹氏(仮名)。パイロットの飛行管理や資格管理を主な任務とする飛行管理員を務めていた山本氏は、覚悟の告発をした。 空自のパイロットが1年に1度受けなければならない資格試験で、不正が横行しているという内容である。試験会場がなく、試験監督もいない。問題用紙と答案用紙をパイロットに渡し、空いている部屋で解かせる。解答を調べながら答案をまとめてもバレないので、落第する人はほとんどいなかった。ベテラン幹部たちには模範解答のコピーさえ渡されていたという。組織的なカンニングの横行に、山本氏は、やがて罪の意識に苛まれるようになった。 「私はパイロットたちの適性を見極める立場。それが遺憾ながら組織的なカンニング、点数の改ざんに手を染めてしまった。それらの行為は公文書偽造罪にあたる可能性もあります。何より国防を担う立場に