原子力発電所を「トイレのないマンション」ということがありますが、それはどういうことでしょうか? 日本の火力発電所では、石油、石炭、天然ガスなどが燃料として使われてきました。これらの燃料を燃やすと、燃料中の炭素が空気中の酸素と結びついて(酸化)、二酸化炭素ができます。では、原子力発電所のウランが「燃える」と何ができるのでしょうか。 「ウランを燃やす」という表現は、「ウランを空気中で酸化させる」ことではなく「ウランを核分裂させる」ことを表しています。ウラン235の原子核が分裂して別の2つの原子核になるときには、大量の熱が出ます。 この大量の熱が出るという点が、酸化である普通の燃焼と同じなので、燃焼とは全く違う反応である核分裂を「ウランを燃やす」と言ったり、ウランのペレットが詰まった棒を「燃料棒」と言ったりします。原子炉から取り出された燃料棒(使用済み燃料)は、いわば燃えかすです。 これの始末の