【シンガポール=青木伸行】アジアで昨年発生した海賊事件は164件で、前年(102件)より6割増加し、過去5年で最悪となった。日本関係船舶は9件。ソマリア沖の海賊が、インド西方海域まで活動を拡大しているのも特徴だ。 アジア海賊対策地域協力協定(RECAAP)の情報共有センター(ISC)によると、東南アジアでは、一昨年の72件から119件(65%増)となった。南シナ海では過去5年で最悪の17件(前年11件)が発生。この海域では、銃とナイフを手に現金、携帯電話、パソコンなどを奪い、船員を傷つけることなく高速ボートで逃げ去るケースがほとんどだという。 ただ、マラッカ海峡では4件(同6件)と少なく、減少傾向にある。ISCは、関係各国による海賊の監視、情報共有など、連携が強化されてきた効果だとみている。 南アジアでは、前年の29件から44件(52%増)となった。このうち10件は、インド西方海域まで足を