(2013年9月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 取るに足りない小さなテーマがドイツの選挙戦の争点になっているのは、この国が成功を収めている1つの証しだ。安全で繁栄した国でなければ、政治の場で、日常生活の些事にここまで注目した議論を行うゆとりは持てないからだ。 「おかしな話だね」。アンゲラ・メルケル首相の上級顧問の1人はこうつぶやく。「外国の人は、ドイツの選挙が中東情勢や欧州の将来にとってどんな意味を持つのかを知りたがっているのに、当の我々は『菜食の日』とか高速道路の料金を巡って論争しているんだから」 シリアの化学兵器ではなく菜食主義の問題が世論を二分 総選挙を前にテレビ討論に臨むアンゲラ・メルケル首相(左)と最大野党・社会民主党のペール・シュタインブリュック氏〔AFPBB News〕 米国や英国、フランスはシリアへの介入について頭を悩ましているが、ドイツにはそんな苦悩はみじんもな