生コンクリート打設が予定どおりに進まない──。そんな悲鳴が首都圏の工事現場から聞こえてくる。 コンクリートそのものが不足しているわけではない。「生コン工場の稼働率は50%程度と、生産余力は十分にある」(東日本に強い有力販売会社幹部)。不足が著しいのは、生コンや骨材(砂や砕石)の運び手だ。 首都圏の生コン出荷量は東日本大震災直前まで長期低落が続いた。埼玉県南部と東京2区(練馬、板橋)を営業エリアとする埼玉中央生コン協同組合の場合、2010年度の出荷量は最盛期だった1988年の522万立方メートルの3分の1程度まで減少。この間、メーカーは生コンを運ぶミキサー車と運転手の数を減らす合理化を余儀なくされた。 そこに建設投資による景気浮揚を打ち出す安倍政権が誕生。同組合の13年度の出荷量は、190万立方メートルを超える急回復を見込む。20年の東京五輪開催も決まり、「首都圏の生コン需要は、少なくとも向