差別化の手段として使う BIOSはメーカーにとってハードウェア部品の一部という位置付けが大勢である。というのもメーカーが何らかの付加価値をつけるには,その機能がBIOSを経由してシステムに反映されなければならないからだ。従ってBIOSは,ハードウェア同様メーカーの責任の範疇ということになる。 メーカーとして部品の標準化を考えると,このアプローチは有益な手段となる。モデル間のハードウェアの差分をBIOSレイヤーで吸収し,上位ソフトウェア・コンポーネントを共通化することにより,メンテナンス性,品質向上に寄与し,開発コストを低減させるからだ。 製品の優位性を確保する方法として価格やコンセプトなどもあるが,ここでは技術に焦点を当てる。技術面で差別化の方法論を考えると,以前はシステムのコアロジックを独自開発したり,ボードの省スペース化を狙った周辺機能の高集積化などが行われてきた。しかし最近では,CP
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