1965年1月と記録にはあるので、ボブ・ディラン、24才だ。その若き日のディランが、こちらを向いて敬礼している。場所は、グリニッチ・ヴィレッジの公園らしい。主に1950年代のビートニクを撮りつづけた米国の写真家、フレッド・W・マクダラーの作品だ。アルバム『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』のレコーディングを終えた直後らしく、おどけているようにみえるのは、それからくる安堵もあるのだろうか。 ぼくは、ディランの歌はもちろんだが、彼が写っている写真も好きで、それは、これみよがしにミュージシャン然としていないところが良いのだ。殊に最近の彼は、お洒落で、何処か胡散臭げで、品の良い、老いた詐欺師みたいなところさえある。しかも、その存在感は圧倒的で、会場にいる人たちばかりか、世界のありとあらゆる街からの視線を集めたかのような、先の来日公演を思い出すと震えがくるくらいだ。 『ボブ・ディラン ス
![ボブ・ディランが教えてくれた、生きるということ、そして音楽の果てしない醍醐味 | WHAT's IN? tokyo](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/979606dc48a244b6cb255edfe94deb4aa1d9ad76/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fd2wi3xvhr3qrd7.cloudfront.net%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2016%2F10%2F26144239%2Fdyran_pic.jpg)