今回は復興と原発の話だ。 東日本大震災から二カ月が経ち、どういうわけか震災後復興を戦後復興に擬して語る声がすでに聞かれなくなったのは、たんに私がそれを聞いていないだけなのか、自明のこととして言われなくなったのか、忘れられてしまったのか。 震災後復興=戦後復興とさかんに聞こえていた頃から、それは年がいった人たちのノスタルジーでありアナクロニズムであるという意見が同時にあり、それはつまり若い人のあいだでは戦後復興のような右肩上がりは望めないという現状認識が浸透していたからだ。バブルがはじけて不景気になった九〇年代半ば、私は何人もの年長者たちから、 「明けない夜はない。」 「春が来ない冬はない。」 だから若い人たちは夢を持ってもっと頑張ってほしい、という意見を聞いたが、国や社会や経済を地球の自転や公転に喩えるのはあまりに雑な話で、一度滅んだ恐竜がもう一度復活することはない。かつて栄えた中国とイン