その結果、分かったことがあります。それは、 「教える」ことを考えるときに、いかにうまく「説明」するか? にだけ目が向いてしまいがちである ということです。 まあ確かに、複雑なことを説明しようとすると、とりあえず「必要なことを説明する」だけでも大変な労力を必要とするので、どうしてもそちらに目が向いてしまうのは無理もないのですが、かといって「説明」していればそれで「教えた」ことになるわけではありません。 「説明」していれば「教えた」ことになりますか? ここでいったん「人間の基本的な学習モデル」を確認しておきましょう。 といっても私は教育学者でもないので別に学問を語る気はありません。あくまで私が経験的に理解したことをこの連載に合わせて整理すると、次の5項目になります。 まずは「前提知識」。例えば極端な例を挙げると、足し算引き算も分からないような幼児に2次方程式の解き方を教えるのは不可能です。どん
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