前回および前々回の記事で、わが国に英商人が阿片を持ち込んだ事件や、コレラが流行国からわが国へ直航してきた独船がわが国の検疫要請を無視し横浜入港を強行した事件や、英貨物船が座礁し船長ら白人たちは現場を離れ、日本人乗客が全員溺死した事件を紹介した。 最近の教科書にはこのような事件についてはほとんど書かれていないのだが、もしこのような事件が起こらなかったら、わが国で「条約改正」を要望する世論の沸騰はなかっただろう。そして、このような世論の高まりがなかったならば、明治政府は「条約改正」をなしえなかったのではないか。 いきなりたとえ話で恐縮だが、凧は強い風があれば高く上がるし、凧が高く上がっていれば強い風があることが分かる。政治家と世論との関係は凧と風との関係のようものではないか。強い世論の支援があってこそ、相手国に強く主張することが出来るし、風がなければ政治家は重たい外交交渉は難しいし、逆に相手か
![条約改正が成功する寸前で大隈重信の脚を引っ張ったのは誰か](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bc16ec4cdad6ed3ac5d844d7c43a980b674ae630/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblog-imgs-67.fc2.com%2Fs%2Fh%2Fi%2Fshibayan1954%2F20140306204501b20.jpg)