原爆の図丸木美術館に展示されている「原爆の図」。岡村幸宣学芸員は「存続に向けて力を貸してほしい」と話す=埼玉県東松山市で2020年5月13日午後3時38分、成澤隼人撮影 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、「原爆の図」を所蔵する埼玉県東松山市の「原爆の図丸木美術館」が経営危機に直面している。私設美術館として開設された同館に自治体や企業からの定期的な助成はなく、開館以来初めての長期休館で収入がなくなった上、老朽化が進んだ施設の改修計画もストップしている。同館は運営資金を募るウェブサイトを開設し、支援を呼び掛けている。 同美術館は画家の丸木位里(いり)(1901~95年)・俊(とし)(1912~2000年)夫妻が67年に開館し、翌年から財団法人(現在は公益財団法人)が運営している。原爆投下後の広島の惨状を目の当たりにし、夫妻が共同制作した全15点の連作「原爆の図」のうち、14点を展示。戦争の記