日本対パラグアイ戦を一言でいうなら「最悪の試合」となる。 この日の観客数は2万7998人。スタンドには半分以上空席が目立ったが、あえて欠席を決め込んだファンの、賢明な判断が光る試合だった。 ひどすぎる。つまらなさすぎる。人からお金を取って鑑賞していただく出し物として、これは大きな問題だ。こんな試合を、もう5試合続けて見せられたら、僕はサッカーファンを辞めている可能性がある。 だが、日本代表はキリンカップに優勝した。試合後、場内アナウンスは日本の優勝を絶叫口調で伝えた。瞬間、拍手は湧いた。しかし、それは盲目的な応援を続けてきたゴール裏に陣取る一部のファンのみで、スタンドには寒々しい空気の方が勝っていた。 試合後の記者会見場で抱いた感想も、これに似ていた。 「W杯3次予選に向け、良い準備ができた」。「選手は良くやった。お疲れサンと声をかけてやりたい」。 岡田サンの口からまず出てきたのは満足げな