タケノコの季節がやってきた。水煮にして保存しておけば一年中食べられるタケノコではあるが、やはり旬の時期に食べてこそ、の食材だろう。 実は私にとってタケノコというのは小さい頃から慣れ親しんだ食べ物ではない。生まれ育った秋田でタケノコといえば、指の太さほどの「姫竹」なるものが主流であり、大きなタケノコ(孟宗竹)はほとんど食卓に登らなかった。孟宗竹の北限は東北南部と言われている。 つまり、北海道及び北東北に育った者にとって、大きなタケノコは憧れの食材なのである。好きだけど、滅多に食べられなかったタケノコ。ぶっといタケノコ。 そんなタケノコ料理を、旬の時期だけ客に供する店があると聞いて行ってきた。場所は金沢だ。 (高瀬 克子) 待ちに待ちました この「タケノコの里」のことは、去年から知っていた。しかし知ったのは夏である。「ああ、行ってみたい!」と思っても、実際に行けるのは数ヶ月も先のこと。 食べた