「花札しない?」とヨメサンが言ったのは、スコットランドを旅しているときだった。それ以来、150回以上の対戦を重ねている。この2人対戦がビジネス感覚を鋭くするのだ。 「花札しない?」とヨメサンが筆者に言ったのは、絵のように美しいスコットランドの風景を、鈍行列車の窓から見ていた時だった。「ええっ、この景色を見に来たんだぞ」「南ドイツから連続30時間も黙って、列車の旅に付き合ってあげてるじゃない。花札やったっていいでしょう」 2002年からの勝負は150回を超えた こうして列車の小さな机で、樋口夫妻2人対戦の花札勝負が始まった。当初は外の景色に未練があった筆者は、どちらかというと花札よりも外の景色に見とれていた。それが原因になったかどうか分からないが、列車の中でのヨメサンはツキにツイていた。どんどん勝ち進む。一方、筆者は連敗に次ぐ連敗。400点ほどの差が付いて、「おいおい、これは1点、いくらの計