岩手県釜石市は27日、市内で設置を予定している仮設住宅2010戸の応募状況を初めて公表した。応募者総数は3254人で平均倍率は1.6倍だが、28地区のうち3地区230戸で応募者数が戸数を下回る「定員割れ」に。被災者の希望と条件が合わない「ミスマッチ」が目立つ。 市は第3希望まで募ったが、3地区はすべての希望者を加えても142人しかいなかった。いずれも、市内の中心部から10キロ以上離れており、不便さが敬遠されたとみられる。市の担当者は「漁業が主の小さな集落で、住民以外の希望者がほとんどなかった。今後希望に合わせて戸数も減らす考えだ」という。 自宅が流され、市内の中学校で避難生活を送る佐々木泰子さん(58)は、自宅に近くて人気の高かった地区を第1、第2希望として応募したが、第3希望は白紙で出したという。「買い物にも病院に行くにも便利な場所がいい。高齢者がいる周りの家庭でも同じような希望が多