リニア南アルプストンネル(25㎞)の長野県側の掘削地、大鹿村で10月11日、村内の残土置き場計画についての工事説明会が開かれた。この計画は、大鹿村から排出される残土300万㎥(東京ドーム2.4杯分)のうち、27万立㎥米を小渋川の河川敷に置くというものだ(事業主体は大鹿村、施工はJR東海)。 筆者はこの残土置き場の川向の高台の集落に住んでいて、下流部の住民ではない。それでも、この計画が2018年頃から取り沙汰され始めたときには驚いた。 というのも、この残土置き場は河川敷というだけでなく、過去に大崩壊を起こして下流部への土砂崩落を防ぐために、長年にわたって林野庁が治山事業をしてきた場所(トビガス沢)の基部だからだ。下から上までみっしり作られた堰堤を対岸から望むことができる。 村がこの盛り土計画を最初に筆者の地区の住民懇談会で持ち出したとき、「無茶だ」という声も出た。下流には小学校や福祉施設、村