youtubeで、「百人一首を当時の発音で朗読」という動画を見ました。奈良・飛鳥時代の上代日本語で発音されていたのですが、どうして当時の発音がわかるのでしょうか? 1. 奈良・平安時代の発音を知る方法(その一) 『古事記』と『日本書紀』によれば、漢字が日本に伝来したのは3世紀の終わり頃と推察されています。その頃の漢字の読みは、中国の三国時代、呉の国の「呉音」でした。その後、607年に遣隋使、630年に遣唐使が派遣されるようになると、長安の都の発音による「漢音」読みが奈良時代の為政者により推奨されました。遣唐使に随伴した留学生は「長安音」を持ち帰りましたし、奈良の都では唐から招聘されたネイティブ話者の大学寮教授がエリート学生に発音を伝授していました。したがって、奈良時代の知識層は、漢字を「長安音」で音読みしていたと推測されるわけです。そして、当時の「漢音」読みを推察する方法が世の中に残ってい