とりわけ、医療制度において社会保障費の増大の原因である後期高齢者に対する医療が大変だという話はこの20年ぐらいずっと話し合われてきました。まあ、生きてるんですからそりゃ不調があったら治療してほしいと願うのは当然のことですし、それ自体は問題ないのです。しかしながら、人間誰もが歳をとります。歳はとりたくないと言いつつ、生きていれば自動的に誕生日を迎え、全員平等に一個ずつ歳をとっていきます。ムカつくけど受け入れざるを得ない現実がそこにあります。 一方で、この「高齢化による老衰、機能低下」というのは、果たして病気なのだろうか、治療が必要で、治療すれば元通りに回復するものなのだろうか、という問いは常に残ります。明らかに快復がむつかしい高齢者を無理に生かし続けるような、胃ろうによる延命措置の件数が減少してきたのは、いまでこそ事実です。一方で、今回、看護師が現場で対応している患者は「痰を引かなければ3日