吉田さんは今年4月、執行役員として現在の勤め先に転職したばかりで、有給休暇も発生していなかった。 社長は「気にしないで休んで」と言ってくれたが、「そう言われると、休むのが心苦しくなって…。入社2カ月で、一番頑張らなければいけない時期でもあった」(吉田さん)。このため、休みは取らなかった。 勤め先は、最寄り駅から徒歩10分程度だが、歩行がままならないため25分くらいかかってしまう。 週1回、朝7時からの朝会前日は、遅刻しないよう近くのホテルに宿泊した。医療費、宿泊代など出費もかさんだ。 だが吉田さんは「けがをしたのが僕のような、オフィスワーカーで良かった」と話す。 「運転手など、体を使った仕事の人が同じ目に遭ったら、労災も下りず生活が立ち行かなくなるかもしれない。無職やアルバイトの人にとっても、経済的な負担は大きいだろう」 警視庁によると、一般人が被疑者を取り押さえる時にけがをしたり、障害が