妹が小児がんにかかり、5歳から2年間、親元から引き離されて育った坂田菜摘さん(37)。 安心して甘えられる誰かがいなかったという幼い頃の喪失体験は、誰かに頼ることができない姿勢を植え付け、成長の過程で様々な困難をもたらすことになった。 つらい経験を誰にも言えない、高校中退、摂食障害、うつ、自殺未遂ーー。 抑えつけてきた思いは、自分や親を攻撃する怒りに転換され、周りを、そして自分も酷く傷つけることになっていく。 【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】 2年間、親と離れていたからといって、特別なケアを受けたわけではない。 母、父、長女、次女と再び一家が揃って、弟を身ごもった母は、さらに忙しくなり、坂田さんは長女としてますますしっかりすることを求められていた。 実家に帰って間もない小学2年生の頃、性暴力被害に遭い、誘拐されかけたことがある。 鍵っ子で7階建てのマンションに