政府・与党は2022年度税制改正に向け、賃上げを行った企業を対象とする税制優遇の強化に向けて検討を本格化させる。 【図解】大手企業の賃上げ回答額と賃上げ率の推移 岸田文雄首相は10月の就任前から繰り返し意欲を示してきたが、経済界は「経済成長がなければ賃上げは厳しい」と訴える。既存の優遇税制では賃上げ効果が限定的だった面もあり、どのように実効性を高められるかが課題だ。政府は自民・公明両党と調整を進め、年末に税制改正大綱をまとめる。 「成長を実現し、その果実を国民一人ひとりに給与の引き上げという形で実感してもらう」。首相は1日の記者会見で、企業に賃上げを促す税制を抜本的に強化する考えを改めて強調した。 賃上げ税制は第2次安倍政権下の13年度に導入され、拡充や見直しが繰り返されてきた。現行で大企業は新規雇用者の給与を前年度より2%以上引き上げると、支給額の15%を税額から差し引くことができる。中