今の明るいイメージからは想像もつかないが、学生時代の誠子はひたすら卑屈で根暗だった。学校で男子としゃべることもなく、休みの日はずっと家に閉じこもっていた。唯一の楽しみは芸人のラジオを聴くことだった。 「クラスのお調子者がはしゃいでいるのを見て、いや、私の方が絶対面白いわ、とかひそかに思っているタイプでした。男芸人でそういう学生時代だった人はたまにいるんですけど、それの女バージョンってヤバいですよね(笑)。自分には笑いの才能があるはずだと思って一人でネタを書いたりしていました」 そんな彼女は、高3のときに初めて『M-1グランプリ』を見て、その面白さに衝撃を受けた。自分も芸人になりたいという夢が膨らみ、大学進学をせずに芸人になることを決めた。母親にその意志を告げたところ、彼女は答えた。 「ええやん! 芸人やったら、あんたのその見た目を生かせるやん!」 実の母親からのストレートな言葉に引っかかり
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