未婚女性に聞くと、6割は「結婚相手の年収は700万円以上」と答えるという。なぜ女性は現実離れした高所得者を探すようになったのか。中央大学文学部の山田昌弘教授は「若い男性の経済格差が広がり、女性はその収入をより強く気にせざるを得なくなった」と分析する――。 ※本稿は、山田昌弘『結婚不要社会』(朝日新書)の一部を再編集したものです。 ■女性の約7割が「結婚相手の収入」を重視している 今日の日本で、いったいどういう人が結婚しているのでしょうか。 結婚できる男性――女性が結婚相手に選ぶ男性――は「経済データが重要である」と言えます。つまり、職業が安定していて収入が高い人であればあるほど結婚しやすく、職業が不安定で収入が低い人であればあるほど結婚しにくい。これはいくつかの統計分析が示していますし、若者が結婚相手に求める条件といったアンケート調査の回答でも、女性は、近年ますます経済的な安定というものを