数年前に電車内の「痴漢」など性暴力問題を取材しはじめて以来、考え続けていたことのひとつが、現代の防犯のありかただ。20~30年前と比べ、社会は大きく変わり、科学技術の発展は目覚ましい。 けれど防犯については、未だに駅構内のポスターに「痴漢は犯罪です」と貼られれば良いほう。素人考えかもしれないが、もう少しなんとかならないのか。 そんなときに知ったのが、「犯罪機会論」を研究する小宮信夫先生だった。街中で犯罪が起こりやすいのは、「入りやすく見えにくい場所」。犯罪者の動機よりも「機会」に着目し、環境づくりによって「犯罪機会」を減らしていく試みを提唱している。 一方、最近になって注目されているのが、「痴漢レーダー」。10人中9人が通報しないという調査結果もある電車内の痴漢被害などを、アプリのボタンを押すことで報告し、被害を可視化・データ化していく取り組みだ。ヤフーの社員だった女性2人が独立して始めた
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