ゾウリムシにはオス・メスの区別はなく、異なる遺伝子を持つもの同士で行われます。接合の後、分かれたゾウリムシはまたそれぞれ細胞分裂によるクローン繁殖を繰り返します。 多細胞生物になるとゾウリムシみたいに細胞同士の接合という単純な形での遺伝子の交換は難しくなります。そこで、自身の遺伝子セットが半分入った生殖細胞を体内で作って、それを他個体の生殖細胞と合体させることで新しい遺伝子セットの子孫を生み出すという生殖様式を進化させました。つまり精子と卵子の合体=受精です。 「男と女の体」に違いが生まれた理由 しかし、ここでまた疑問が生まれます。なぜ精子と卵子というふたつの生殖細胞が進化したのか、ということです。そしてこれこそが性の分化の根源でもあるわけです。生物が複雑化・高度化するにつれ、成長に時間がかかるようになります。配偶子が接合して細胞分裂を始めて個体に成長するまでの過程を胚発育といいますが、こ
