韓国が、国内農業団体の反発を抑えて各国との自由貿易協定(FTA)締結を積極的に進めている。6日には欧州連合(EU)とのFTAに正式署名し、米国とのFTAも11月にソウルで開く主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を機に早期妥結を模索する。東アジアのライバルである日中両国の機先を制して存在感を高めようとする韓国と、農業問題などの調整が進まず米欧との交渉入りすらできない日本との差は歴然としている。【立山清也、浜中慎哉、ソウル大澤文護、ワシントン斉藤信宏】 韓国のFTA積極策は、サムスン電子や現代自動車といった韓国企業のグローバル展開と表裏一体だ。韓国の外交関係者は「企業経営者出身の李明博(イ・ミョンバク)大統領のビジネス感覚が、交渉の早期合意に役立っている」と口をそろえる。 韓国の政府系研究機関の試算によると、EUとのFTA発効で、08年に9291億ドルだった韓国の国内総生産(GDP)を