今年一年の政治ニュースを振り返ると、最初の大ニュースは森友学園をめぐるものだった。これに端を発して、「忖度」という言葉が流行し、稲田朋美元防衛大臣の国会答弁が問題視され、説明不足を問われた安倍政権の支持率が20%台に下落した。 ……と過去形で書いてしまったが、決して過ぎ去った問題ではない。国会での真相解明も、大阪地検特捜部の捜査も、会計検査院の調査も、端緒についたばかりである。 政治の問題だけでなく、これからの教育のあり方に関わる問題でもある。私たちは監視を弱めてはいけない。 認可されるはずのない申請 すべては、松井一郎氏(現・日本維新の会代表)が2011年11月に大阪府知事に初当選した直後に始まった。 2012年4月、大阪府は森友学園の要望を受けて学校設置基準を緩和した。借入金で学校を新設できるようにしたのである。その後の5年間に、緩和された基準により認可申請をしたのは森友学園だけである
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