高齢者は満足に嚥下することができない。とりわけ脳疾患の既往がある人では、嚥下機能が低下しており、誤嚥の頻度が高くなる。 で、高齢者では気管支に異物を詰まらせるというケースが多い。 ボタン電池を飲み込んだという話は聞く。電池が粘膜に張り付いて、電池の包装が溶けて、中に入ったアルカリ性の溶液が漏れて、の粘膜に穴が開いて、縦隔炎をきたして死ぬ例などもまあある。認知症の老人がボタン電池を使うような小さな器具を必要とするのか、と考えていくと、身の回りから撤去すればよいので、まあこれは避けられるかもしれない。 面倒なのは、老人が飲んでいる薬を誤嚥した時だ。 律儀な老人は、せっせと薬を飲む。嚥下機能が落ちたことも気が付かないで飲んでいたりする。 家族も家族で、「おじいちゃん、薬の時間よ」とせっせと飲ませたりする。老人も期待に応えようとがんばって飲んで誤嚥する。処方した医者側にも問題はないのかといわれれば