桜の満開の知らせとときを同じくして、長浜のまちなかにやってくるもの 一 長浜曳山まつり。 約440年前、長浜城主・羽柴秀吉の長濱八幡宮の祭礼再興に際して始まったことが由緒とされるこのまつりは、曳山と呼ばれる山車の舞台で演じられる子ども歌舞伎で知られている。山組と呼ばれるエリアごとに、舞台をもつ12の曳山と長刀を飾る曳山の全13があり、各曳山は洗練され、華麗な装飾などに個性をもっている。12の曳山からは交替で毎年4つが出場する(出番山)。 詳しくは(長浜曳山博物館 長浜観光協会) まつりを支えるメインとなるのは山組の住民だ。かつて一帯が長浜町といわれたゆえんだろう、今でも彼らを町衆、町人と呼ぶのを聞くことがある。これまでに私が出会ってきた町衆のほとんどは「自分とこの山が一番」と誇りをもち、まつりが好きでたまらない人ばかりだ。 西川丈雄さんは、 諫皷山(御堂前組)の町衆であり、その傍