時の流れと金の流れというものは非常に早く、マニラに到着してから3週間が過ぎようとし、自分が卒業した中学校の全校生徒とほぼ同じ人数の諭吉がカジノという魔性の前に没した。 この国では文字通りなんでも売れる。国民IDさえあればカジノに入れるので死ぬ気で稼いだ金を刹那の瞬間に賭けることだってできる。破滅してもIDすら売れる。両足を売った人も見た。 カジノで出会った現地人はすでに俺に金がないのを知っているので、KTV(キャバクラ)帰りの綺麗な女性が早朝大移動をする時に通る穴場ナンパストリートや、40円で食べれる夜鳴きラーメン屋台を教えてくれ、さらにどうしても金が欲しいと懇願した時には「物の売り方」を教えてくれた。 俺は携帯、macbook、ipad、その他衣類やスーツケースを全て売ってしまうことにした。大丈夫。要は勝てばいい。勝ちさえすれば覇道が途切れることはない。 ギャンブル依存症にはいくつかパタ