「本当の自分」を捨てよ、街へ出よう 「東京」を切り取る作家とライターが語る、複数の「自分」を生きるススメ 2022.12.22 あなたにとって「東京」はどんな場所でしょうか? 憧れの街、ただ住んでいるところ、戦う場所……さまざまな答えがあるでしょう。約1,400万人が住む東京という街には、約1,400万通りの「東京」があるはず。 本記事でお話をうかがったのは、それぞれ小説とルポルタージュという形で「東京」を描き出したお二人です。麻布競馬場さんは、Twitter発のショートストーリー集『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』で、地元を捨て、上京してきた人々の悲哀を描き、佐々木チワワさんは『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』で、歌舞伎町を中心に東京に生きる若者たちの実存を考察しています。 そんなお二人に、それぞれの「東京」と、この街が生むさまざまな葛藤について語っていただいた前編に
葬儀に派遣される女性スタッフの仕事をしていた だいたいの現場で私たちは名前ではなく「レディさん」とか「スタッフさん」とか呼ばれる ご遺体のお迎えから火葬後までずっと関わっていく葬儀社と違い、私たちがご遺族と一緒にいる時間は通夜告別あわせて8時間くらいだ 開式前に初めて故人と遺族に会い、どういう方だったか最後までわからない時もある 初めて派遣された葬儀会社の、初めて会う担当者から、初めて会う遺族のことを開口一番「めんどくさい人たちです」とだけ言われる時もある もちろん勉強していたり資格を持っている人もいるけど、私たちは役所の手続きやお金、お墓についてのことをほとんど知らない わかるのは葬儀中のことだけだ 私たちは説明書だったり自動ドアだったりコート掛けだったり案内看板だったりした 真夏日でも氷点下でもスーツ1枚で外に立ち、背筋を伸ばし指先を揃え、薄い笑顔で案内した 鞄にはなんでも入っていた
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