ライオンズファンの間で、「歴代最強助っ人」といえば、間違いなく1、2位に名前が挙がるのがオレステス・デストラーデだろう。1989年から1992年、1995年に西武ライオンズに在籍。90年から92年の、3年連続本塁打王を獲得し、チームの3年連続日本一に大貢献した。その通訳として、常に隣で支えたのがコウタ(当時:石島浩太)だった。 「常勝軍団」と言われた黄金期ライオンズの猛者たちの中で、戦友の一人として共に闘っていたが、その胸の内には誰にも言えない“本当の自分”を隠し続けていた。幼少時から気付いていた、男性として生きている違和感。「性同一性障害」を自覚していながらも、プロ野球界という社会の中で認めてもらうためには、絶対に気付かれるわけにはいかなかった。必死で男性であり続けた。 1997年に西武を退団したのち、ニューヨーク・ヤンキース、ニューヨーク・メッツ、読売巨人軍と渡っても同じだった。だが、