ビジネスとITの摩訶不思議な世界を“創発号”に乗って旅する匠Style研究所。第7回は、僕がソフトウエア開発の経験や要求開発を通して少しずつ分かってきた、人間の活動における普遍的な成功パターンをテーマにします。それは、一般常識を飛び越えていかなければ見つからない面白い領域でした。僕が最初にそれを意識し始めたのは、1996年くらいに着手したオブジェクト指向方法論「Drop」を作成しているときのことです。 手順的に書けば書くほど嘘になる現実 当時、僕は一つの壁にぶつかっていました。方法論を理論的に、分かりやすい手順として、文章や図を書けば書くほど嘘っぽくなってしまうのです。自分が考えていることを手順的に書けば書くほど、自分の頭の中では「そのようには考えていない」と思ってしまうことに悩み続けました。 僕は、暗黙知の領域を書き示すことの壁にぶつかり始めていたのです。そして、そのような領域を、下手に
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