藤井貞和「たがましく」(「現代詩手帖」2013年12月号) 藤井貞和「かだましく」(初出「文学界」2月号)はタイトルがわからない。わからないときは、どうするか。私はわからないままにしておく。わかるまで、待つ。--待ってもわからなければ、まあ、仕方がない。そのことばをつかわない。 とりあえず、詩を読みはじめる。 震源は 震源は のたうつ白馬(はくば) きっと東日本大震災のことと関係があるのだろう--と、私は「震源」ということばだけで、そう思ってしまう。それくらい東日本大震災は、いまの日本語に影響しているということだろう。 「白馬」はわからない。福島にある地名は「有馬」。和合亮一は東日本大震災のとき、地下を馬が駆け抜けていくという感じのことを詩にしていたが、あの馬は白馬? 白はどこから来ている? わからないけれど、福島を私は思い浮かべる。仙台とか、ではなくて。いいかげんだね、私は。 爆発のあと