SFの世界の透明マントは、かぶることでその姿を消すことができる便利アイテムだ。現実にも熱や音の影響を受けない透明マント、物体を見えないようにする光学的な透明マントなど、様々な透明化技術が進んでいる。 ここ数年では、視領域の光を制御し屈折率を調節することで見えなくする研究が進んでいるが、今回は視覚的というよりはむしろ触覚的に透明化するものである。 ドイツ、カールスルーエ大学の研究者らは、物体を触覚では感じ取れなくさせる”素材”を生み出すことに成功したという。それは触れることから物体をさえぎる、つまり物体の感触をさまたげる材料なのだ。 今回開発された素材は、物体を完全に触覚から隠すことができる。この素材を指で押してみたり、力量測定機器を使っても、素材の下にあるものの情報は何も感じられない。 この画像を大きなサイズで見る その”素材”はメタマテリアルがベースとなっており、触れられる先端が微細な針