愛知県西三河地方で売られ、一時は生産中止の憂き目にあった小笠原製粉(愛知県碧南市)の即席ラーメン「キリンラーメン」の人気が、全国的に高まっている。 6食入り500円と他社製品よりやや高めだが、昔ながらのレトロなパッケージと素朴な「昭和の味」が幅広い世代を引きつけ、過去最多だった昨年1年分の売り上げ130万食を今年は4月までに達成した。勢いは止まらない。 「これほど売れるとは。一番驚いているのが社員です」と専務の小笠原充勇(みつお)さん(36)。袋詰め作業が追いつかず、昨年夏からパート約20人を雇ったという。 同社は1907年、小笠原さんの曽祖父が創業し、祖父の時代の65年、しょうゆ味のキリンラーメンを発売。「キリンの首のように長く親しまれるように」との思いを込めた。70年代半ばには年間120万食が売れたが、80年代以降、大手との競争激化で販売不振となり、95年に生産中止に追い込まれた。 と