昨年10月の中国共産党大会にて、渦中の張高麗元副首相は何事もなかったかのようにひな壇の最前列に座り、習近平主席に拍手を送っていた (C)時事 世界中で話題となり、北京冬季五輪の「外交ボイコット」にまで発展した中国人女子テニス選手の「性的被害」疑惑。ロシアのウクライナ侵攻などに伴って世間の関心は急速に薄れ、気が付けば、「女性の権利」を巡る戦いは中国の巨大市場を前にあっけない敗北に終わっていた。 あまりにあっけない幕切れだった。中国のプロテニス選手彭帥さん(37)が2021年11月に、張高麗・元副首相(76)に性的関係を強要されたと告白した後に一時消息不明になった件だ。彭さんの無事の確認と徹底した調査を求めて中国での大会開催を見合わせていた世界女子テニス協会(WTA)が今年4月、中国での大会開催を9月から再開させると発表したのだ。もちろん調査などは行われておらず、世界の耳目を引いた中国とWTA